仮想通貨(暗号資産)市場において、イーサリアム(ETH)が重要な局面を迎えています。

2025年半ばから続く蓄積トレンドが加速し、直近では2400ドルの抵抗線を確認する動きが強まっています。

特筆すべきは、短期的な価格変動に惑わされない「クジラ」と呼ばれる大口投資家や長期保有者の動きです。

データによれば、1日で約5億9200万ドル(約910億円)相当のETHが蓄積用ウォレットに流入しており、これが将来的な供給ショックを引き起こす可能性が指摘されています。

本記事では、オンチェーンデータとテクニカル分析の両面から、イーサリアムが次に目指す価格水準を深掘りします。

蓄積アドレスへの驚異的な流入:長期保有者の確信

イーサリアムの価格が1,750ドル以下の数年来の安値から39%の回復を見せる中、投資家の信頼感は急速に回復しています。

オンチェーンデータ分析によると、いわゆる「蓄積アドレス(一度も出金履歴がなく、ETHを受け取り続けているウォレット)」への流入が過去最高水準に達しています。

2026年5月5日火曜日には、単日で24万6620 ETHがこれらのアドレスに吸収されました。

これは、現在の市場価格で約5億9200万ドルに相当します。

2025年11月には1日あたりの流入量が114万ETHという史上最高記録を樹立しましたが、2026年に入ってもその勢いは衰えず、1日平均20万ETHペースでの蓄積が続いています。

長期保有者が市場に与える影響

蓄積アドレスの合計保有量は、2026年に入ってから20.36%急増し、過去最高の2500万ETHに達しました。

過去のデータでは、蓄積アドレスへの大規模な流入から約30日以内に、価格が大幅に上昇する傾向が確認されています。

例えば、2025年6月の急増後には約85%の価格高騰が発生しました。

大口投資家(クジラ)の動向と保有区分

現在の市場を牽引しているのは、単なる個人投資家ではありません。

1万ETH以上を保有する、いわゆる「クジラ」のアドレスが記録的なペースで買い増しを行っています。

以下の表は、保有量別のウォレット動向をまとめたものです。

保有区分 (ETH)現在の保有総計2026年のトレンド市場へのシグナル
1万 – 10万 ETH約1950万 ETH過去最高を更新強気の蓄積フェーズ
10万 ETH 以上約470万 ETH30% の増加組織的な長期保有
蓄積用アドレス全体2500万 ETH20.36% の増加供給量のタイト化

このように、特定のクジラ層による占有率が高まっていることは、取引所に流通する現物ETHの枯渇を意味します。

供給が制限される中で需要が維持、あるいは増加すれば、価格には強い上昇圧力がかかります。

テクニカル分析:アセンディング・トライアングルと3500ドルへの道

テクニカル的な視点からも、イーサリアムは非常に興味深い構造を描いています。

現在、ETH/USDペアは「アセンディング・トライアングル(上昇三角もち合い)」の形成を確認しており、その上限である2400ドルのブレイクアウトを試みています。

注目すべき主要ターゲットと抵抗帯

価格上昇を確実なものにするためには、いくつかのハードルを越える必要があります。

  1. 2700ドルの突破:ここには200日指数平滑移動平均線(EMA)が位置しており、日足終値でこの水準を上回れば、長期的な強気トレンドへの転換が確定します。
  2. 3000ドルの心理的節目:この価格帯には大規模な買い注文(ビッド)が集中しており、ショートポジションの強制決済を巻き込んだ急騰が期待されます。
  3. 3315ドルから3500ドルの最終目標:アセンディング・トライアングルの測定目標値(理論値)は3315ドルであり、エリオット波動分析に基づく予測では3500ドルまでの続伸が視野に入っています。

リクイデーション・ヒートマップ(清算マップ)を見ると、2400ドル周辺の流動性はすでに吸収されつつあります。

暗号資産アナリストによれば、2500ドルを明確に突破した場合、次の3000ドルまでは「ショートポジションに対する抵抗がほとんど存在しない」状態であり、真空地帯を駆け上がるような上昇が起こり得ると指摘されています。

エリオット波動によるマクロ底打ちの示唆

一部のテクニカルアナリストは、イーサリアムがすでに「マクロ的な底」を打ったと分析しています。

現在の2400ドル付近での揉み合いは、次の大きな第3波に向けたエネルギー充填期間と見なされており、2600ドルから2700ドルの抵抗帯をクリアした瞬間に、トレンドの加速が現実味を帯びてくるでしょう。

まとめ

2026年5月現在、イーサリアムはファンダメンタルズとテクニカルの両面で極めて強気な兆候を示しています。

1日で約600億円規模のETHが蓄積ウォレットへ移動するという事実は、大口投資家たちが現在の2400ドルという価格を「将来の上昇を考えれば依然として割安」であると判断している証左です。

取引所からの供給減少と、アセンディング・トライアングルの完成が重なれば、3500ドルという目標値は決して非現実的な数字ではありません。

投資家は、2700ドル付近の移動平均線を明確に超えられるかどうかに注目し、次の大きな波に備える必要があるでしょう。

市場のボラティリティには常に注意が必要ですが、オンチェーンデータが示す「クジラの確信」は、現在のイーサリアム市場における最大の支持基盤となっています。