ネットイヤーグループ(3622)は2026年4月28日、2026年3月期の通期決算を発表しました。

今回の決算では、売上高が着実な伸びを見せる一方で、営業利益が前期比で約4倍という驚異的なV字回復を成し遂げています。

長らく取り組んできたDX(デジタルトランスフォーメーション)支援の深耕に加え、生成AIの積極的な導入が収益構造を劇的に改善させました。

また、東証スタンダード市場への市場区分変更に伴う記念配当の実施も発表され、株主還元への姿勢を強めています。

2026年3月期決算の全容:利益率の劇的な改善

2026年3月期の業績は、売上高が36.72億円(前期比8.7%増)となった一方で、利益面で劇的な変化が見られました。

営業利益は3.31億円(同301.6%増)、経常利益は3.37億円(同306.2%増)に達し、当期純利益は1.73億円(前期は0.33億円の赤字)と黒字転換を果たしました。

収益性を押し上げた要因

増益の主な要因は、単なる売上の拡大だけではなく、売上原価率の改善と販管費の抑制にあります。

特に、デジタルマーケティング支援における業務プロセスの効率化が進んだことが寄与しました。

重点顧客の創出と深耕

同社が掲げていた「重要施策」である重点顧客の創出が順調に進捗しました。

既存顧客からの継続案件の受注に加え、新規顧客の獲得が利益の底上げに直結しています。

項目2025年3月期(実績)2026年3月期(実績)増減率
売上高33.78億円36.72億円+8.7%
営業利益0.82億円3.31億円+301.6%
経常利益0.83億円3.37億円+306.2%
当期純利益△0.33億円1.73億円黒字浮上

生成AI活用とNTTデータとの共創戦略

ネットイヤーグループの成長を支える柱となっているのが、生成AIを提案活動に組み込むタスクフォースの存在です。

フルファネルマーケティングの進化

顧客の認知から購買、ロイヤルティ向上までを一気通貫で支援する「フルファネルマーケティング」において、生成AIを活用した高付加価値サービスの展開が始まりました。

これにより、従来よりも短期間で精度の高いCX(カスタマーエクスペリエンス)の設計が可能となり、顧客企業からの評価が高まっています。

親会社とのシナジーと生産性向上

親会社であるNTTデータとの協業強化も、多様なニーズへの対応力を高める要因となりました。

社内においても生成AIを活用したタスクの自動化を並行して進めており、生産性の向上が直接的に営業利益率の向上(前期の約2.4%から約9.0%へ上昇)に寄与しています。

2027年3月期の展望と市場変更に伴う株主還元

同社は次期(2027年3月期)についても、売上高41.00億円(前期比11.6%増)、営業利益3.50億円(同5.5%増)と、増収増益の継続を見込んでいます。

特に純利益については、前期比39.8%増の2.43億円を見込むなど、強気な見通しを立てています。

市場変更と記念配当の実施

2026年4月7日付で東京証券取引所スタンダード市場へ市場区分を変更したことに合わせ、1株あたり1.00円の上場記念配当の実施が決定しました。

これにより、2026年3月期の期末配当は、普通配当6.00円と合わせて合計7.00円となる予定です。

コラム:株価への影響と投資判断の分析

今回の決算発表および配当修正を受け、今後の株価は「上昇」の可能性が高いと分析します。

  1. 利益率の劇的な改善: 営業利益が4倍に膨れ上がったことは、同社のビジネスモデルが「薄利多売」から「高付加価値型」へシフトしたことを示唆しています。
  2. 割安感の台頭: 大幅な増益により、予想PER(株価収益率)などの指標面で割安感が強まることが予想されます。
  3. 記念配当による還元姿勢: スタンダード市場への変更に伴う配当増は、個人投資家を中心とした買い安心感につながります。

懸念点としては、次期の営業利益成長率が5.5%増と今期に比べると落ち着く見通しであることですが、純利益の伸びが顕著であるため、ポジティブなサプライズとして市場に受け止められる公算が大きいでしょう。

まとめ

ネットイヤーグループの2026年3月期決算は、まさに「生成AIによる業務変革」が実を結んだ内容となりました。

売上規模の拡大以上に利益の爆発的な伸びが目立っており、収益体質の抜本的な強化に成功したと言えます。

NTTデータグループとしての安定した基盤と、生成AIという最新技術を組み合わせた同社の戦略は、2027年3月期も安定した成長を維持する可能性が高いでしょう。

投資家にとっては、成長性と株主還元の両面で魅力が増した局面と言えそうです。