ゴールデンウィークが明け、株式市場がいよいよ本格的に動き出す5月。

投資家にとってこの時期の大きな関心事は、5月末に権利確定を迎える銘柄の選定です。

3月決算企業の配当支払いが一段落した今、次に狙うべきは5月27日の権利付き最終日に向けた高利回り銘柄の仕込みです。

5月決算銘柄は、3月や9月に比べて銘柄数こそ限られるものの、パソナグループ(2168)を筆頭に利回り4%を超える魅力的な銘柄が並んでいます。

本記事では、最新の市場動向とPBR(株価純資産倍率)などの指標を交え、5月の高利回り銘柄ベスト30を徹底解説します。

単に利回りが高いだけでなく、権利落ち後の株価推移や企業の成長性、さらには株主優待の有無など、投資判断に欠かせない深掘り情報を整理しました。

権利確定まで残り約3週間、戦略的なポートフォリオ構築の一助となれば幸いです。

5月決算・配当取りの市場環境と投資戦略

5月の株式市場は、例年「Sell in May(5月に売れ)」という格言が意識されやすい時期ですが、日本市場においては3月決算企業の決算発表が相次ぐ時期でもあります。

こうした中で、5月を決算期とする企業の配当取りは、市場全体のボラティリティに対するリスクヘッジや、堅実なインカムゲイン確保の手段として注目されます。

権利付き最終日に向けた株価の動き

5月の権利付き最終日は2026年5月27日(水)です。

この日までに株式を保有していれば、配当金や株主優待を受け取る権利が得られます。

一般的に、高利回り銘柄は権利日に向けて買いが集まりやすく、株価が緩やかに上昇する傾向があります。

しかし、注意すべきは「権利落ち日(5月28日)」以降の動きです。

配当利回りが高ければ高いほど、配当落ち分を埋めるだけの買い戻しが入るかどうかが重要になります。

特にPBRが低い銘柄や、業績予想が堅調な銘柄は、下値が限定的であると考えられ、キャピタルゲインとインカムゲインの両取りを狙いやすくなります。

5月の高利回り銘柄ベスト30:詳細一覧表

以下に、2026年5月の配当権利獲得に向けた高利回り上位30銘柄をまとめました。

今回のランキングは、あくまで「今回の配当取り」で得られる利回りを基準としています。

証券コード銘柄名市場利回り(%)配当額(円)PBR(倍)優待
2168パソナG東P4.6875.00.47★
192AインテG東G4.3265.01.80
6047Gunosy東P4.3022.01.12
14301stコーポ東S4.2046.01.28
9216ビーウィズ東P4.1377.03.13
4198テンダ東S3.9622.01.43
372Aレント東S3.76210.01.09
1419タマホーム東P3.53125.03.97★
9286エネクスIF東イ3.472035.00.75
7673ダイコー通産東S3.3263.01.14
4430東海ソフト東S3.3160.01.32
4076シイエヌエス東G3.1955.01.21
205AロゴスHD東G3.1163.392.46
6505東洋電東S3.0675.00.71
3297東武住販東S3.0440.00.80★
3472ホテルレジR東R2.892039.01.17★
4825WNIウェザ東P2.8157.53.99
3021PCNET東S2.7652.02.55
4829日エンター東S2.703.00.91
8966平和不リート東R2.703990.01.39
7808CSランバー東S2.6980.00.47
2796ファマライズ東S2.6714.00.93
5869早稲田学習研東S2.6335.01.83
2153E・JHD東P2.6144.00.86
8960ユナイテッド東R2.604550.01.56
6150タケダ機械東S2.5080.00.55★
7370Enjin東G2.4820.01.28
8908毎日コムネット東S2.4322.01.21★
505Aギークリー東S2.4230.03.95
9651日本プロセス東S2.3543.01.56

注目銘柄の深掘り分析と株価への影響

ランキング上位銘柄を中心に、その背景と今後の見通しを詳しく解説します。

特に、PBRの低さや株主優待の有無は、権利落ち後のリバウンド力を測る重要な指標となります。

パソナグループ(2168):驚異の利回り4.6%超と低PBRの正体

ランキング1位のパソナグループは、利回り4.68%という圧倒的な数字が目を引きます。

人材サービス大手である同社ですが、現在の注目点はその「バリュエーション」にあります。

業績と配当の背景

パソナグループは、保有する子会社ベネフィット・ワンの売却などを通じて資本効率の改善を急ピッチで進めています。

現在のPBR 0.47倍という水準は、解散価値を大幅に下回っており、東証が進める「資本コストや株価を意識した経営」の観点からも、増配や自己株買いへの期待が根強く残っています。

今回の配当額75円は、こうした構造改革の中での株主還元姿勢の表れと言えます。

株価分析:上昇・下落・よこばい

  • 短期予測:上昇
    権利付き最終日に向けて、高利回りを狙った個人投資家の買いが先行すると予想されます。特に1,500円~1,600円近辺での底堅さが意識されるでしょう。
  • 中長期予測:下落後のよこばい
    権利落ち後、配当分(75円)以上の株価下落が起きるリスクには注意が必要です。しかし、PBR 0.5倍割れという割安感が下支えとなり、大幅な崩れは考えにくい局面です。

タマホーム(1419):個人投資家に絶大な人気を誇る優待銘柄

配当利回り3.53%に加え、株主優待として「QUOカード」を贈呈しているタマホームは、5月決算銘柄の中でも屈指の注目株です。

安定した収益基盤と還元策

住宅展示場への集客が堅調で、注文住宅の単価上昇が収益を押し上げています。

同社は「配当性向」を意識した積極的な還元を掲げており、125円という配当額は投資家にとって非常に魅力的です。

PBRは3.97倍と高めですが、これは同社の高いROE(自己資本利益率)が評価されている証拠でもあります。

株価分析:上昇・下落・よこばい

  • 短期予測:上昇
    優待取りと配当取りが重なるため、5月中旬から最終日にかけて強い上昇圧力がかかりやすい銘柄です。
  • 権利落ち後:下落
    権利落ち後の株価調整は比較的大きくなる傾向があります。優待・配当の合計利回りが高い分、権利落ち日に利益確定売りを急ぐ動きに警戒が必要です。

REIT・インフラファンド:安定インカムを狙う選択肢

ランキングには、エネクス・インフラ投資法人(9286)やホテル・レジデンシャル投資法人(3472)といったJ-REITおよびインフラファンドもランクインしています。

金利上昇局面でのREITの立ち位置

2026年現在、日本の金利情勢は不透明感を増していますが、実物資産を裏付けとするREITは、インフレ耐性を持つ資産として再評価されています。

特にホテル系REITはインバウンド需要の恩恵をダイレクトに受けており、分配金原資となるキャッシュフローが安定しています。

株価分析:上昇・下落・よこばい

  • 全体予測:よこばい
    金利上昇懸念が重石となる一方で、利回りの高さが下値を支える構図です。急激な上昇は見込みにくいものの、ポートフォリオの安定剤としては非常に優秀な選択肢となります。

高利回り銘柄を選ぶ際の「3つの罠」と回避策

ランキング上位の銘柄であればどれを買っても良いというわけではありません。

高配当投資には特有のリスクが存在します。

1. 「タコ足配当」になっていないか?

利益以上の配当を出している、いわゆる「タコ足配当」の銘柄は、翌期以降の減配リスクが非常に高いです。

配当性向が100%を超えていないか、あるいは一時的な資産売却益による特別配当ではないかを確認することが重要です。

今回のランキングでは5月期単体での利回りを示しているため、年間を通じた安定性をキャッシュフロー計算書でチェックすることをお勧めします。

2. PBR 1倍割れの背景を探る

PBRが極端に低い銘柄(例:パソナGの0.47倍、CSランバーの0.47倍など)は、市場から「成長性が乏しい」あるいは「不透明なリスクがある」と見なされている場合があります。

単なる割安放置であれば買いですが、業績の構造的な悪化が原因であれば、配当を受け取ってもそれ以上の含み損を抱えるリスクがあります。

3. 権利落ち後の「需給」の悪化

信用買い残が多い銘柄は、権利確定後に一斉に決済売りが出るため、株価が急落しやすくなります。

信用倍率を確認し、需給が整理されている銘柄を選ぶことが、権利落ち後のリバウンドを狙うコツです。

実践的な投資シミュレーション:5月27日への備え

では、具体的にどのようなスケジュールで動くべきでしょうか。

ステップ1:5月第2週までの選別

決算発表の内容を精査します。

5月決算銘柄の多くは、この時期に来期の業績予想を出してきます。

増収増益予想かつ配当維持・増配を打ち出した銘柄は、権利日に向けて株価の強含みが期待できます。

ステップ2:5月20日前後のエントリー

権利付き最終日の1週間ほど前になると、駆け込み需要で株価が一段高になることが多いため、5月20日前後の押し目を狙ってエントリーするのが理想的です。

ステップ3:権利落ち後のホールド判断

配当利回りが4%を超える銘柄の場合、権利落ち後に株価が3%程度下がっても、トータルではプラスになります。

もしPBRが依然として低く、業績見通しが明るいのであれば、そのままホールドして次の配当機会や株価の回復を待つ「長期保有」への切り替えも有効な戦略です。

まとめ

2026年5月の配当取りは、パソナグループ(2168)やインテグループ(192A)など、利回り4%を超える強力なラインナップが揃いました。

特にPBR 1倍を大幅に下回る銘柄群は、東証の改革要請を追い風に、今後さらなる株主還元の拡充が期待できる「宝の山」となる可能性があります。

しかし、高配当投資の成功の鍵は、利回りの数字だけに惑わされないことです。

権利付き最終日の5月27日に向けて、業績の裏付けがあるか、そして権利落ち後の下落を許容できるバリュエーションかを見極める眼力が問われます。

今回紹介したベスト30銘柄をリストアップし、自身の投資スタイルに合った銘柄を慎重に選定することで、5月の相場を実り多きものにしていきましょう。

投資は自己責任となりますが、徹底したデータ分析と冷静な判断こそが、インカムゲイン最大化への最短ルートです。