旭情報サービス <9799> (東証スタンダード)が2026年5月1日の大引け後に発表した決算短信は、投資家にとって非常にポジティブな驚きをもたらす内容となりました。

同社は、2026年3月期の経常利益が前の期比5.6%増の17億円で着地したことを報告。

さらに、続く2027年3月期も前期比6.6%増の18.1億円と伸びる見通しを示し、3期連続で過去最高益を更新する見込みであることを明らかにしました。

特筆すべきは、今回の増益見通しによって「17期連続の増収増益」という驚異的な記録を達成する点です。

変化の激しいITサービス業界において、これほど長期にわたり安定した成長を継続できる企業は極めて稀であり、同社の事業基盤の堅牢さが改めて浮き彫りとなりました。

17期連続の増収増益へ、盤石な事業モデルを背景にした好決算

旭情報サービスがこれほどの長期にわたって成長を続けられる要因は、同社が強みとするシステム運用・保守およびネットワーク構築といった「ストック型ビジネス」に近い収益構造にあります。

企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)投資が加速する中、システムの安定稼働を支えるインフラ支援の需要は衰えることがありません。

今回の決算における主要な業績数字を以下の表にまとめました。

決算期売上高(推移)経常利益(前年比)1株当たり利益(EPS)
2026年3月期(実績)堅調推移17.0億円(+5.6%)向上
2027年3月期(予想)17期連続増収見込18.1億円(+6.6%)最高益更新予想

2027年3月期の業績予想においても、既存顧客からの深耕受注や、クラウド環境への移行支援といった高付加価値案件の増加が寄与する見通しです。

IT人材不足という業界全体の課題に対し、同社はエンジニアの育成と効率的なプロジェクト管理を徹底することで、増収を利益成長へ確実に結びつけるサイクルを確立しています。

第4四半期に見られた収益性の飛躍的向上

今回の発表で投資家が注目すべきポイントは、直近の3ヵ月間(1-3月期)における実績です。

この期間の経常利益は前年同期比で42.9%増の5.6億円へと急拡大しました。

営業利益率の大幅な改善

利益の絶対額だけでなく、収益の「質」も向上しています。

売上営業利益率は、前年同期の9.4%から12.7%へと大幅な改善を見せました。

これは、不採算案件の徹底した排除や、運用フェーズにおける自動化ツールの導入によるコスト削減が奏功している証左といえるでしょう。

安定した受注環境

同社は金融、官公庁、製造など幅広い業界に顧客基盤を持っており、特定の業界の景況感に左右されにくい特性があります。

特に年度末にあたる第4四半期において、顧客の予算執行に伴う追加案件を効率的に取り込めたことが、利益の押し上げに貢献したと考えられます。

株主への還元:増配と今後の配当戦略

業績の拡大に伴い、旭情報サービスは株主還元についても前向きな姿勢を示しています。

前期(2026年3月期)の年間配当を、従来予想の32円から34円へと2円増額して修正しました。

配当の安定性と継続性

2027年3月期についても、年間配当34円を継続する方針を打ち出しています。

同社は安定的な配当維持を基本方針としており、利益成長に合わせて着実に配当水準を切り上げていく姿勢が見て取れます。

  • 2025年3月期:46円(記念配当等を含む)
  • 2026年3月期:34円(当初予想32円から増額)
  • 2027年3月期:34円(据え置き予想)

一見すると前の期(46円)より減少しているように見えますが、これは記念配当などの特殊要因を除いたベースで見れば、実質的な還元水準は高いレベルで維持されていると評価できます。

投資判断:株価への影響と今後の展望

今回の発表を受けて、月曜日以降の株式市場では好意的な反応が期待されます。

以下に、株価への影響について3つのシナリオで分析します。

【上昇シナリオ】

17期連続増収増益という圧倒的な実績と、直近4Qの利益率改善が評価され、株価は一段高となる可能性が高いでしょう。

特にPER(株価収益率)などのバリュエーション面で割安感がある場合、機関投資家による再評価の買いが入ることが予想されます。

【下落シナリオ】

材料出尽くしによる利食い売りが考えられますが、同社のような堅実な成長銘柄の場合、急落のリスクは限定的です。

万が一、外部環境の悪化(日経平均株価の急落など)に引きずられた場合は、絶好の押し目買い候補となるでしょう。

【よこばいシナリオ】

増収増益がすでに「織り込み済み」と判断された場合、株価は堅調ながらも小幅な動きに留まる可能性があります。

しかし、配当利回りが下支えとなるため、下値は堅いと考えられます。

最新の株価指標については、Yahoo!ファイナンス – 旭情報サービス(9799) にて確認することをお勧めします。

まとめ

旭情報サービスが発表した2026年5月の決算は、17期連続増収増益という金字塔を打ち立てる、極めて信頼性の高い内容でした。

特に直近3ヵ月の利益率の改善は目覚ましく、単なる規模の拡大だけでなく、収益構造の高度化が進んでいることを証明しています。

配当の増額修正も、経営陣の業績に対する自信の表れといえるでしょう。

派手な急成長ではありませんが、「着実かつ止まらない成長」を続ける同社は、長期投資を目指す個人投資家にとって、ポートフォリオの安定性を高める魅力的な選択肢であり続けるはずです。

今後もITインフラ需要を確実に取り込み、どこまでこの連勝記録を伸ばしていくのか、市場の注目が集まっています。