総合商社の一角を担う双日 (2768)が2026年5月1日の昼、投資家の耳目を集める決算発表を行いました。

2026年3月期の業績は微減益となったものの、次期となる2027年3月期の連結最終利益は前期比25.5%増の1300億円に急拡大する見通しを示しました。

これは同社にとって4期ぶりとなる過去最高益の更新を意味しており、同時に発表された大幅増配と合わせて、市場にはポジティブなサプライズが広がっています。

2027年3月期:過去最高益更新に向けた強気の業績予想

双日が発表した2027年3月期の業績予想は、多くの市場関係者の予想を上回る野心的な内容となりました。

2026年3月期の連結最終利益は、前期比6.3%減の1036億円に着地しましたが、今期はそこから一転してV字回復を見込んでいます。

業績回復の背景と成長戦略

今期の利益目標1300億円は、これまでの同社の成長軌道を一段上に引き上げる水準です。

背景には、世界的な景気回復に伴う資源価格の安定に加え、同社が注力している非資源分野での収益基盤の拡充があります。

特にリテール事業やインフラ関連の投資が実を結び始めており、ポートフォリオのバランスが改善されていることが、強気の予想を支える要因となっています。

以下の表は、直近の業績推移と今期の予測をまとめたものです。

決算期会計基準連結最終利益前期比1株益(EPS)
2025年3月期(実)IFRS1106億円165.2円
2026年3月期(実)IFRS1036億円-6.3%158.4円
2027年3月期(予)IFRS1300億円+25.5%198.5円

直近1-3月期(4Q)の分析

一方で、直近の四半期実績である2026年1-3月期(4Q)の連結最終利益は、前年同期比32.8%減の231億円に落ち込みました。

これは一時的な評価損や事業撤退コストの計上などが要因と見られていますが、1-3月期の低迷を今期の飛躍で補って余りあるという同社の自信が、今回のガイダンスから見て取れます。

株主還元の強化:年間180円への大幅増配

業績の拡大見通しに伴い、双日は株主還元策についても積極的な姿勢を打ち出しました。

今期の年間配当を前期比15円増の180円とする方針を発表しました。

累進配当への期待と配当利回り

双日は中期経営計画において、配当性向の目安だけでなく、下限配当の設定や累進的な配当政策を掲げています。

今回の増配により、現在の株価水準から算出した配当利回りは市場平均を大きく上回る高水準となり、インカムゲインを重視する投資家からの買いが集まりやすい状況となっています。

コラム:双日の株価への影響を読み解く

今回の決算発表を受けて、今後の株価がどのような動きを見せるのか。

3つのシナリオから分析します。

上昇シナリオ

可能性:高 過去最高益の更新予想と増配は、株式市場にとって最も好まれる材料です。

特に、純利益1300億円という数字が中期的な成長力への確信に変われば、PBR(株価純資産倍率)が低迷していた同社株のバリュエーション見直し(リレーティング)が起こる可能性があります。

商社セクター全体への資金流入も追い風となるでしょう。

よこばいシナリオ

可能性:中 決算発表前から、ある程度の好業績を織り込んで株価が上昇していた場合、「材料出尽くし」として利益確定売りが出る場面も想定されます。

また、1-3月期の減益幅が大きかったことを重く見る慎重派の投資家が多ければ、しばらくはもみ合いの展開が続くことも考えられます。

下落シナリオ

可能性:低 今期の強気予想が、あくまで「希望的観測」に過ぎないと市場に判断された場合です。

例えば、資源価格が急落したり、世界的な金利高が継続して投資案件の収益性が悪化したりするリスクが顕在化した際は、下方修正への警戒感から株価は押し下げられるでしょう。

しかし、現時点での財務健全性と事業分散を考えれば、大幅な下落リスクは限定的と見られます。

まとめ

双日が発表した2027年3月期の業績予想は、25.5%増益という力強い成長と、4期ぶりの最高益更新という大きな転換点を示しています。

直近の四半期決算では苦戦を強いられたものの、通期での巻き返しとさらなる飛躍に対する同社のコミットメントは非常に強く、180円への増配はその象徴と言えるでしょう。

投資家にとっては、成長性と高配当を両立させた銘柄として、改めてその価値を評価する機会となりそうです。

今後は、四半期ごとの進捗率や、非資源分野での新たな投資案件の進展に注目が集まります。

中長期的な視点では、この「最高益更新」というフラグが、双日のステージを一段引き上げる鍵となることは間違いありません。