株式会社WIZE (証券コード:3664) が、ソラナ (Solana) エコシステムにおける最大級の分散型金融 (DeFi) プラットフォームである「Jupiter」との連携を強化し、保有資産の運用効率を飛躍的に高める新たなフェーズに突入しました。

2026年、暗号資産を単に保有するだけでなく、オンチェーン金融を駆使して「稼ぐ財務」へと転換させる企業の動きが加速しており、今回のWIZEによる「Native Stake Lend」機能の検証開始は、その象徴的な事例と言えます。

ソラナ経済圏の心臓部「Jupiter」がもたらす金融変革

Jupiterは、ソラナ上で展開されるDeFiスーパーアプリであり、2026年時点においてオンチェーン金融の分野で世界をリードするプロジェクトです。

単なるスワップ機能に留まらず、レンディング、パーペチュアル取引、さらには独自の流動性インフラまでを網羅し、ユーザーがオンチェーンで必要とするあらゆる金融サービスをワンストップで提供しています。

圧倒的な市場シェアと信頼の基盤

Jupiterのプレゼンスは極めて高く、ソラナ上のDEX (分散型取引所) 取引活動の約90%を占めるという驚異的なシェアを誇っています。

累計取引高は2兆ドルを突破し、2025年時点でのアクティブウォレット数は約4,300万に達しました。

これほどの規模を持つプラットフォームとの連携は、WIZEにとって技術的な安定性だけでなく、ソラナエコシステム内での強力なネットワーキングを意味します。

次世代の金融インフラとしての役割

Jupiterは2026年、ネイティブモバイルアプリの普及により、従来の銀行アプリに近い操作性を実現しました。

これにより、機関投資家や企業財務担当者がDeFiにアクセスする障壁が劇的に下がり、WIZEのような上場企業が透明性の高いブロックチェーン上で資産運用を行うための最適な環境が整ったと言えるでしょう。

Jupiter Native Stake Lend:ステーキング効率を極大化する新技術

今回WIZEが検証を開始した「Native Stake Lend」は、2026年2月にJupiterがリリースした革新的な機能です。

この機能の最大の特徴は、従来の「預けて報酬を待つだけ」のステーキングから、「預けた資産を流動化し、さらに運用に回す」というレバレッジ型の運用を安全かつ簡便に実現した点にあります。

運用利回り向上のメカニズムとその優位性

Native Stake Lendを活用することで、WIZEは以下のような高度な運用スキームを構築します。

  1. 保有するSOLをバリデータに預け入れ、ベースとなるステーキング報酬を獲得する。
  2. ステーキング中のSOLを担保として、JupiterのプロトコルからSOLを借り入れる。
  3. 借り入れたSOLを再度バリデータに預け入れ、追加のステーキング報酬を享受する。

このループ構造により、実質的な運用資産を保有量以上に拡大させることが可能となります。

従来のステーキングでは年利 (APR) が一定の範囲内に限定されていましたが、Native Stake Lendによる多層的な運用は、トレジャリーの収益性を劇的に改善するポテンシャルを秘めています。

資本効率の最適化とリスクヘッジ

この仕組みは、いわゆる「ループ運用」と呼ばれるものですが、Jupiterの堅牢なインフラ上で実行されることで、清算リスクの管理やバリデータの選択が最適化されています。

WIZEは、自社の戦略的パートナーであるDawn Labsが対応バリデータに選出されたことを受け、SOLの保有量を減らすことなく利回りのみを取り出すという、企業財務にとって理想的な資本効率の実現を目指しています。

WIZEが挑む「ソラナ・トレジャリー事業」の全貌

株式会社WIZEは、旧社名のモブキャストホールディングスから刷新して以降、Web3およびソラナエコシステムへの注力を鮮明にしています。

同社が推進する「ソラナ・トレジャリー事業」は、単なる投資活動ではなく、自らバリデータ運用を行うことでネットワークの安定に寄与し、その報酬を収益の柱とする実業に近い性格を持っています。

Dawn Labsとの戦略的提携とバリデータ運用

ドバイを拠点とするDawn Labsとの提携は、WIZEのグローバル戦略の要です。

Dawn Labsが運営し、WIZEが協業する「WIZEバリデータ」は、ソラナ財団公認のSolana Foundation Delegation Program (SFDP)に正式採択されています。

これは、ソラナネットワークの分散化とセキュリティに貢献しているバリデータとして認められ、財団からの委任を受けていることを意味し、極めて高い信頼性を裏付けるものです。

財務健全性と成長性の両立

日本国内の上場企業において、ここまで深くソラナエコシステムの深部にコミットしている事例は稀有です。

WIZEは保有するSOLを「眠らせる資産」から「増殖する資産」へと変えることで、従来の事業セグメントに加えた新たな収益源を確立しようとしています。

今回のJupiterとの連携検証は、その収益性をさらに一段階引き上げるための戦略的な一手です。

株式市場へのインパクトと投資判断

投資家の注目は、この取り組みが実際の業績や株価にどう反映されるかに集まっています。

株式会社WIZE (3664) の株価動向を分析すると、今回の発表は中長期的なポジティブ材料として捉えられる可能性が高いでしょう。

短期的・長期的な株価シナリオ分析

シナリオ株価への影響分析のポイント
短期的な反応よこばい~微増本件による連結業績予想への変更は「軽微」とされており、即座に利益が急増するわけではないため、市場はまずは静観の構えを見せると予測されます。
中長期的な反応上昇期待検証が成功し、トレジャリー収益が安定的に計上され始めれば、保有SOLの含み益拡大とともに、純資産価値 (NAV) の向上が評価され、株価の底上げに寄与するでしょう。
リスク要因下落リスクソラナ価格自体の激しい変動や、DeFiプロトコル固有のスマートコントラクトリスクが顕在化した場合、財務的な不確実性を懸念した売りが出る可能性があります。

WIZEの株価は、現在のゲームやIP事業によるボトムラインに加え、「ソラナ関連銘柄」としてのプレミアムが乗りやすい状況にあります。

特にビットコインやソラナなどの暗号資産市場が活況を呈する局面では、同社のトレジャリー事業の価値が再評価され、ボラティリティを伴いながらも強い上昇トレンドを描く可能性があります。

まとめ

株式会社WIZEによるJupiter Native Stake Lendの検証開始は、日本の上場企業における暗号資産運用の在り方を一歩先へ進める画期的な試みです。

ソラナエコシステムの中心地であるJupiterの機能を最大限に活用し、Dawn Labsとの強固なパートナーシップのもとで進められるこの取り組みは、「Web3ネイティブな企業財務」のロールモデルとなるかもしれません。

投資家としては、短期的な収益貢献度だけでなく、同社が構築しているバリデータ運用の安定性と、SOL保有量の増加ペースを注視すべきです。

ソラナという巨大な経済圏の成長を自社の成長に取り込むWIZEの戦略は、2026年以降のデジタル資産市場において、同社を独自のポジションへと導くことになるでしょう。