中古スマートフォンやPCの国内流通を手掛けるReYuu Japan株式会社(東証スタンダード:9425)が、自社の財務戦略として掲げる「暗号資産トレジャリー戦略」を一段と加速させています。
同社は2026年4月17日、ビットコイン(BTC)の追加取得を実施したことを発表しました。
今回の取得により、同社が保有するビットコインの累計金額は約3,000万円に達しており、日本企業における「ビットコイン保有」という新たな資産運用モデルの具体例として注目を集めています。
4月17日のビットコイン追加取得の詳細
ReYuu Japanは、2026年2月25日に設定した上限5,000万円の暗号資産取得枠に基づき、段階的な買い増しを継続しています。
今回の追加取得に関する具体的なデータは以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 取得資産 | ビットコイン (BTC) |
| 取得日 | 2026年4月17日 |
| 取得金額 | 9,999,867円 |
| 取得枚数 | 0.8369 BTC |
| 取得単価 | 11,948,700円 |
今回の取得は、11,948,700円という単価で行われました。
2026年に入り、ビットコインは世界的なインフレヘッジ資産としての地位をより強固なものにしており、企業の余剰資金を法定通貨(日本円)からデジタル資産へ移転させる動きの一環と言えます。
累計取得状況と保有コストの推移
今回の取得を経て、同社のビットコイン保有状況は以下のように更新されました。
- 累計取得金額:29,999,867円
- 累計取得枚数:2.6728 BTC
- 平均取得単価:11,224,135円
累計取得金額が約3,000万円に到達したことで、当初設定された取得枠5,000万円の約60%を消化したことになります。
平均取得単価が1,122万円付近であるのに対し、今回の取得単価が約1,195万円であることから、価格上昇局面においても計画通りに買い増しを実行する強い意思が伺えます。
「暗号資産トレジャリー戦略」の背景と意図
ReYuu Japanが推進するこの戦略は、単なる投機目的ではありません。
同社は中長期的な財務基盤の強化を目的に、暗号資産をトレジャリー(財務)ポートフォリオの一部として組み込んでいます。
なぜビットコインとドージコインなのか
同社の取得対象には、ビットコインのほかにドージコイン(DOGE)も含まれています。
ビットコインが「デジタル・ゴールド」として価値の保存手段と見なされる一方で、ドージコインは特定のコミュニティやエコシステム、あるいはRWA(現実資産)領域における決済手段としての可能性を秘めています。
同社は2026年1月に、House of Dogeおよびabc株式会社との三社間提携を発表しており、ドージコイン・エコシステムへの関与を深めることで、リユース事業とのシナジーを模索していると考えられます。
子会社「ReDigital」への展開を見据えた準備
現在、親会社であるReYuu Japanが行っている取得は「実行準備フェーズ」と位置づけられています。
これは、将来的に子会社であるReDigital株式会社を通じて本格的な暗号資産運用を展開するための布石です。
具体的には以下のプロセスを社内で検証しています。
- 内部統制および承認プロセスの整備
- ウォレット管理等、安全な保管体制の構築
- 暗号資産特有の会計処理および開示実務の習熟
これらの基盤を固めることで、今後、より大規模な取得枠の設定や、暗号資産を活用した新たなサービス展開への移行をスムーズにする狙いがあります。
株価への影響と今後のシナリオ分析
ReYuu Japan(9425)の株価にとって、この暗号資産取得はどのような影響を及ぼすのでしょうか。
現在の状況を整理すると、株価への影響は短期的には「よこばい」、中長期的に「上昇」の可能性を秘めていると分析できます。
短期的な分析:限定的なインパクト
現在の累計取得額3,000万円という規模は、同社の連結純資産(約8.3億円規模、2025年実績参照)に対して約3.6%程度に留まります。
PR情報でも「業績への影響は軽微」と明記されている通り、現時点での含み益・含み損が直接的に同社の倒産リスクや急激な業績悪化を招くレベルではありません。 そのため、短期的な株価反応は限定的となる可能性が高いでしょう。
中長期的な分析:ビットコインとの相関性
中長期的には、以下の3つのポイントが株価を押し上げる要因となります。
- プレミアム評価の付与:日本国内でビットコインを保有する上場企業はまだ少数です。米国のマイクロストラテジーのように、ビットコイン価格の上昇が株価のプレミアムとして上乗せされる「ビットコイン関連銘柄」としてのポジショニングが確立されれば、市場からの評価(PER)が切り上がる可能性があります。
- リユース×Web3の期待感:子会社ReDigitalでの事業展開が具体化し、リユース品の決済や真贋証明にブロックチェーン技術が活用されるようになれば、成長期待から買いが入ることが予想されます。
- 資産価値の増大:ビットコイン価格が将来的に数倍に高騰した場合、同社の保有資産価値が無視できない規模となり、純資産の増加がBPS(1株当たり純資産)の押し上げに寄与します。
一方で、暗号資産特有のボラティリティにより、決算時に評価損を計上するリスクは常に付きまといます。
投資家は、同社の本業であるリユース事業の収益性と、トレジャリー戦略による資産価値変動の両面を注視する必要があります。
日本企業におけるビットコイン保有の意義
ReYuu Japanの動きは、近年の日本企業における潮流に合致しています。
2024年以降、メタプラネット(3350)などの日本企業が相次いでビットコインを財務資産として導入し始めました。
これは、円安リスクに対するヘッジ手段としての側面が強く、「持たざるリスク」を意識した経営判断と言えます。
同社の戦略が優れている点は、一括投資ではなく「分割取得」を採用している点です。
市場環境や財務状況を鑑みながら1年かけて取得を進めることで、高値掴みのリスクを分散(ドルコスト平均法)し、堅実な運用体制を対外的にアピールしています。
まとめ
ReYuu Japanによる4月17日のビットコイン追加取得は、同社が掲げる「暗号資産トレジャリー戦略」が計画通り着実に進展していることを証明しました。
累計取得額3,000万円という規模は、同社にとって実務的な管理体制を構築するための最適なテストサイズであり、今後の本格的な拡大に向けた重要なステップです。
今後は、上限5,000万円の枠を使い切った後の「次の一手」に注目が集まります。
取得枠の拡大や、ドージコインの本格的な組み入れ、そして子会社ReDigitalを通じた事業化のニュースが飛び出せば、株価のステージが変わる大きな転換点となるでしょう。
暗号資産とリユース事業の融合という、新しいビジネスモデルの最前線に立つ同社の動向から、今後も目が離せません。

