2026年4月、SBIグループが推進する「対面コンサルティング」の象徴とも言える事業が、大きな節目を迎えました。

株式会社SBI新生銀行と、SBI証券の子会社であるSBIマネープラザ株式会社が共同展開する店舗「SBI新生ウェルスマネジメント」において、お客さまからの預り資産残高が、2026年4月23日時点で1兆円を突破したことが発表されました。

この成長スピードは凄まじく、2025年8月に5,000億円に到達してからわずか9カ月で資産残高を2倍に倍増させています。

日本国内で「貯蓄から投資へ」の流れが加速する中、同行とSBI証券が連携したハイブリッド戦略が、富裕層や資産形成層から圧倒的な支持を得ていることを証明する形となりました。

預り資産1兆円到達の背景と驚異的な成長スピード

わずか9カ月で5,000億円を積み上げた要因

SBI新生ウェルスマネジメントがこれほど短期間で預り資産を拡大できた最大の理由は、2025年7月末に完了したSBI新生銀行の全支店への併設にあります (※千里中央出張所を除く)。

全国規模で質の高い資産運用・資産管理サービスを提供できる体制が整ったことで、地方都市の潜在的な資産運用ニーズを掘り起こすことに成功しました。

2026年4月時点での累計口座数は11,421口座に達しており、1口座あたりの平均預り資産額を単純計算すると約8,700万円となります。

この数字からも、同店舗が単なる大衆向けの証券窓口ではなく、高度な専門知識を求める富裕層やアッパーマス層をメインターゲットにした「ウェルスマネジメント」としての地位を確立していることが分かります。

「SBIハイパー預金」と銀行・証券の融合モデル

成長を支えたもう一つのエンジンが、SBI新生銀行とSBI証券の連携を象徴する商品SBIハイパー預金です。

この預金口座を通じて、銀行の顧客接点をスムーズに証券投資へと繋げる仕組みが機能しており、グループ内での「銀証連携」のシナジーが最大限に発揮されています。

専門スタッフによるワンストップの対面アドバイスが、ネット証券だけではカバーしきれない「相談したい」という顧客ニーズに合致したと言えるでしょう。

全国に広がるSBI新生ウェルスマネジメントの拠点ネットワーク

現在、SBI新生ウェルスマネジメントは北海道から九州まで、日本全国の主要都市に拠点を構えています。

その店舗網は以下の通りです。

エリア主な展開地域・店舗
北海道札幌
東京日本橋、銀座、上野、池袋、新宿、渋谷、二子玉川、吉祥寺、町田、八王子
関東 (東京除く)横浜、藤沢、柏、船橋、大宮
中部・近畿名古屋、栄、梅田、難波、京都、神戸
九州福岡

特に東京都内では、銀座や日本橋、渋谷といった資産形成層が多く集まるエリアを重点的にカバーしており、対面ならではの高度な提案力を武器に、相続や事業承継といった複雑なニーズにも応えています。

投資家視点:SBIホールディングスの株価への影響分析

この資産残高1兆円突破というニュースは、親会社であるSBIホールディングス (8473)の株価にどのような影響を与えるのでしょうか。

今後の見通しを分析します。

株価への影響:上昇トレンドの可能性が高い

今回の発表は、SBIグループの収益構造がストック型ビジネスへシフトしていることを強く印象付けました。

預り資産残高の増加は、将来的な信託報酬やコンサルティング手数料の増加に直結するため、投資家からは好意的に受け止められるでしょう。

特に、SBI新生銀行を非公開化して以降、銀行部門の収益改善がグループ全体の課題となっていましたが、ウェルスマネジメント事業の急成長は、その懸念を払拭する材料となります。

懸念点と市場の反応

短期的な視点では、すでに期待値が株価に織り込まれている可能性もあり、発表直後は「よこばい」の推移を辿ることも予想されます。

しかし、中長期的には、預り資産のさらなる積み上げと口座数の増加が確認されるたびに、株価の下値を切り上げる要因となるはずです。

「預り資産2兆円」に向けたロードマップが示されれば、さらなる買いを呼び込む可能性が高いでしょう。

競合他社との比較

野村證券や大和証券といった伝統的な大手証券がウェルスマネジメント部門を強化する中で、SBIグループは「ネットの利便性」と「銀行の信頼性」を掛け合わせた独自の立ち位置を確立しています。

この独自性が維持される限り、他社からのシェア奪取による成長が続くと見られます。

まとめ

SBI新生ウェルスマネジメントが達成した「預り資産1兆円突破」は、SBIグループが掲げる「金融のワンストップサービス」が着実に結実していることを示しています。

わずか9カ月で残高を倍増させた成長力は、対面による専門的なコンサルティングが、今の日本市場においてどれほど求められているかを如実に物語っています。

今後、さらなる口座数の拡大とともに、一人ひとりのお客さまに対する「質の高い資産運用・管理サービス」の提供が続くことで、SBIグループは日本の個人金融資産2,000兆円の還流をリードする存在になるでしょう。

投資家としても、この圧倒的な成長スピードを維持できるか、そして預り資産が収益にどれだけ寄与していくか、引き続き注目すべき局面にあります。